そのとき! 夜の街に、かれんな美少女の声がきゅるるーんと響きました。
「ぢゃっぢゃぢゃーん☆ そこまでですわっ、悪の怪人、メイド服おやじ!」
『うぬほ――っ!! 現れましたな、聖少女仮面マリアセイバー!!』
時計台のてっぺんにさっそうと立つ、幼げな美少女は、仮面の下で気品のある笑みを浮
かべます。そして、手にする巨大ぐるぐるキャンディを、メイド服を着たデブおやじにび
しーっと突きつけました。
「こーじょりょーぞくを乱すあなたを、わたくしの熱い正義は見逃しませんわ!」
両肩には大きな苺、フリルつき純白ドレスのあちこちに生クリームを模した飾り。甘い
モノ大好きのマリアセイバーは、いつものように苺のショートケーキを連想させる衣装で
見得きりのポーズをとります。
続けて、いつもの決め口上。
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