すいーとな必殺技をうけ、怪人はたおれました。彼女は、しずかに語ります。

「おじさま。あなたが、ご家族にさられた悲しみは、さっしますわ」
『……わ、わしは、このメイドこすぷれに誇りをもって……、なのに、あいつらっ!』
「だからといって! ふらちな悪行三昧はいけませんっ」

 マリアセイバーは、りんとしてやさしく、芯のとおった声でさとします。

「心をただしくもつのです――」

 ほほえみとともにいう、それは、ふるえるほどに熱いタマシイのことばでした。

「ふりむかず生きなさい! のりこえられない悲しみなど、ないですわ……!!」

                    
――『聖少女仮面マリアセイバー(5)』より抜粋
1


presented by KURONEKO-SAN TEAM
©KOGADO STUDIO,INC.