「なんだか、ただならぬオーラが放たれてる。ふふ、天使の目はごまかせないよ!」
「所長、所長! 早くあけてみましょうですぅ!」
「ダメっ。うかつに見たら目が潰れるかも……っ」
「ぎゃー、それはイヤですぅ」
 ステファの言葉に、両手で目を隠すサーリア。それを横目で冷ややかに眺め、フィアが、
「ねー、ラスティ」
「あぅ? ……なんですか」
「これ、新商品? あなたなら知ってるんじゃないの」
「……いえ、それが。わたしもはじめて見ます」
『へっ?』フィア、ステファ、サーリア、シアリィの声が重なった。
 みなの注目を集めてしまい、ラスティはもじもじと両腕すり合わせる。時間をかけて頭
の中で言葉をまとめ、やがて、ぽつりぽつりと話しはじめた。「もしかしたら試作品かも、
です。わたし、それを間違ってバスケットに入れちゃったのかもしれません。おかーさん、
困ってるかもしれないから、早く持って帰らないと……」
 期待にあふれた表情をしている探偵たちに、ラスティは申しわけなさそうにいった。そ
のまま、おずおずと手を伸ばし、バスケットのフタを閉めようとする。その瞬間。それは
まさに電光石火だった。
 四方から四人の手が伸び、がしっ!! とラスティの手を押さえた。
「!? あ、あ、あうっ!?」
 突然のことに目を白黒させて、ラスティは四人を見やった。
 
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